宅建業者の免許を受けた者が何らかの事情により廃業する場合、国土交通大臣または都道府県知事に廃業の届出を行う必要があります。ここでは、宅建業者の廃業届における手続きの流れと必要書類について説明していきます。
宅建業者の廃業届における手続きの流れ
宅建業者は、廃業の理由が生じた日から30日以内に廃業届を提出しなければいけません。廃業届を提出すると、受付日から宅建業の免許は失効します。また、廃業届出を行った後、営業保証金または弁済業務保証金分担金の取戻しを受けることができます。
法務局に営業保証金を供託していた場合
宅建業免許取得の際、法務局に営業保証金を供託していた場合は、その取戻し手続きを行う必要があります。
- 免許を受けた都道府県に対し廃業届を提出
- 官報に廃業の事実が掲載されてから、都道府県に対して営業保証金取戻し公告書を提出
- 6ヵ月の官報公告期間が終了したのち、都道府県に対して債権の申し出のない証明願を提出
- 法務局で供託金の取戻し手続きを実施
保証協会に加入し弁済業務保証金分担金を供託していた場合
宅建業免許取得の際、保証協会に加入し弁済業務保証金分担金を供託していた場合も、その取戻し手続きを行います。
- 免許を受けた都道府県に対し廃業届を提出
- 廃業届の写しを保証協会の所属支部に提出
- 保証協会による官報公告・退会・弁済業務保証金分担金返還の手続き
- 6カ月間の官報公告期間および数ヵ月を要する分担金返還手続きを経て分担金が返還
※保証協会側で広告料と手数料を差し引いた残額が返還されます。
北海道における宅地建物取引業者の廃業届一式
北海道のホームページから道様式の「廃業等届出書」をダウンロードし、必要事項を記入して都道府県あるいは保証協会に提出します。なお、廃業の理由は、死亡・合併による消滅・破産手続開始決定・解散・廃止のいずれかから適切なものを選択します。
廃業等届出書の記入事項
廃業等届出書には以下の事柄を記入する必要があります。
- 廃業の理由(死亡・合併による消滅・破産手続開始の決定・解散・廃止のいずれかを選択)
- 商号又は名称
- 氏名(法人の場合は代表者の氏名)
- 主たる事務所の所在地
- 届出事由の生じた日
- 宅地建物取引業者と届出人との関係(相続人・元代表役員・破産管財人・清算人・本人のいずれかを選択)
※廃業理由が「死亡」である場合は、「届出事由の生じた日」の欄に死亡の事実を知った日を付記する。
廃業等届出書の添付書類
届出書は、原則として本人が窓口まで持参することとされ、宅地建物取引業免許証の原本と本人の身分証明書に加え、以下の添付書類が必要になります。
- 届出人が死亡したとき:死亡及び相続人がわかる戸籍全部事項証明書
- 法人が合併により消滅したとき:消滅した法人の閉鎖事項全部証明書(消滅日のわかるもの)
- 破産手続開始の決定があったとき:破産管財人の証明書(破産手続開始日がわかる裁判所が発行した書類など)
- 合併や破産以外の理由で解散したとき:解散日がわかる履歴事項全部証明書
- 廃止したとき(法人は存続):業者であった個人又は法人を代表する役員
なお、提出部数は申請先により変わりますので注意しましょう。
【提出部数】北海道知事免許の場合
- 主たる事務所の所在地が石狩振興局の所管区域内(札幌市、江別市、千歳市、恵庭市、北広島市、石狩市、当別町、新篠津村)にある場合: 正本1部(石狩振興局用)+(別途必要部数)
- 主たる事務所の所在地が石狩振興局の所管区域内以外にある場合:正本1部(申請先総合振興局・振興局用)+副本2部(本庁用)+(別途必要部数)
【提出部数】国土交通大臣免許の場合
- 正本1部(国用)+副本1部(本庁用)+(別途必要部数)
※北海道ホームページ「宅地建物取引業免許の申請・届出」参考
まとめ
宅建業の廃業届を提出する際は、基本となる書類のほかに添付書類も複数求められるため、あらかじめ北海道におけるルールをよく確認しておく必要があります。
宅建業の廃業に伴うさまざまな業務を行いながら廃業届の準備を進めていくことは、実際問題として大変手間のかかるものです。そのようなときこそ許認可手続きの専門家である当事務所までぜひご相談ください。ご依頼者様の負担となる手続きを代理することで、ご負担を軽減させることができます。初回相談は常時受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。