宅地建物取引業を行うためには、国土交通大臣または都道府県知事の免許を受けなければなりません。ここでは、宅地建物取引業の許可申請について説明していきます

 

宅地建物取引業の概要

国土交通省のホームページによると、宅地建物取引業を行うには国土交通大臣または都道府県知事の免許を受けることが必要とされています。

 

2以上の都道府県に事務所を設置し、宅地建物取引業を営もうとする場合

→ 国土交通大臣の免許が必要

1つの都道府県に事務所を設置し、宅地建物取引業を営もうとする場合

→ 都道府県知事の免許が必要

※国土交通省ホームページ参照

 

なお、免許取得により以下の業務が可能になります。

 

  • 宅地または建物の売買
  • 宅地または建物の交換
  • 宅地または建物の売買、交換または貸借の代理
  • 宅地または建物の売買、交換または貸借の媒介

※国土交通省ホームページ参照

 

このように法律で明確に定義されている理由は、一般的に土地や建物が非常に高額な財産であることに加え、土地建物の取り扱いには高度な専門的知識を要するからです。法により宅地建物取引業という仕事を明確に定義することにより不動産取扱者の質を均一に保ち、大きな財産である不動産を適切に取り扱うことを可能にしています

 

宅地建物取引業許可申請の流れ

宅地建物取引業の許可申請は、以下の流れをたどり進められていきます。

 

申請先

国土交通大臣宛免許・都道府県知事免許の別を問わず、窓口は都道府県庁の宅地建物取引業の担当課になります。申請者本人が書類を持参し提出する必要があり、国土交通大臣免許の場合は9万円都道府県知事免許の場合は3.3万円の手数料を支払わなければなりませんので、忘れず準備しておきましょう。

 

書類準備

必要書類を用意したら、副本として書類のコピーをとります。なお、事務所の外観および内部の写真も必須ですので忘れず揃えましょう。書類は正副ともに指定順に上から重ねて綴じます。申請書類は先に述べた申請窓口に、手数料納入のうえ提出します。

 

審査

書類提出を受けて審査が開始されますが、免許の通知まで通常4週間から6週間ほどかかるためその間は待機します。免許の通知が来たら、次に営業保証金を供託し、受領証にあたる供託書の写しを得て、免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事宛てに再び届出を行います。この過程を経てようやく免許証が交付され、宅地建物取引業の営業開始にいたるのです。

 

宅建協会への加入

宅地建物取引業の開業に際して、全国宅地建物取引業協会都道府県宅建協会に加入することがほとんどです。これら宅建協会に入会することにより、次のような特典を受けることができます。

  • 営業保証金の供託免除
  • レインズの利用

 

営業保証金の供託免除に代わって弁済業務保証金分担金主たる営業所について60万円、従たる営業所1ヵ所につき30万円)を納める必要があります。しかし、営業保証金は最低でも1,000万円納めなければいけませんので、金銭的な条件を踏まえても宅建協会への加入は非常にメリットが大きいといえるでしょう

 

また、弁済業務保証金以外のメリットとして、以下を挙げることができます。

全国宅地建物取引業協会ホームページ「開業までの流れ」参照

 

開業支援

先に述べた営業保証金免除の特典を指します。

 

営業支援

  • レインズなどの事業者向け検索サイトの利用
  • 宅建協会会員に限り利用可能な全宅住宅ローン
  • 全国不動産業者の8割が加入する「ハトマーク」ブランド
  • 各地域に青年部会などを設置した地域密着型の情報支援

 

実務支援

  • 宅建協会会員業務支援サイト「ハトサポ」
  • ハトマークWeb書式作成クラウドシステム
  • 充実した各種書式のダウンロードが可能
  • 全宅連の税務相談、弁護士による法律相談、書式相談、都道府県宅建協会の不動産相談が可能
  • 各種出版物が会員限定特別価格で購入可能
  • 仕事上の万一に備える「宅建士賠償」への加入が可能
  • 賃貸管理業をサポートする全宅管理への入会が可能

 

スキルアップ支援

  • Web研修や実務セミナーなど種々のセミナーを実施
  • 充実した各都道府県宅建協会の法定講習

 

多角的サポート

提携企業による各種業務支援サービスあり

 

まとめ

当事務所では、宅地建物取引業の開業を一からサポートしていますので、営業開始までの過程で必要な許可申請をお任せいただけます

 

通常、事務所を整備しながら指定の申請書類を揃えたり申請手続きに出向いたりしなければなりませんが、当事務所にご依頼いただくことによりそのようなわずらわしさから解放され本来業務に集中することができます。

 

開業にあたりさまざまな不安・疑問を抱いている場合、当事務所ではよくヒアリングを行い適切な助言を行うことも可能ですので、まずはお気軽にご相談ください