建設業許可取得の要件の中に財産的基礎等の要件というものがあります。簡単に説明するとその業者様に一定以上の資金力があるかどうかです。
- 直前の決算において自己資本の額が500万円以上である事。
- 500万円以上の資金調達能力のある事。
自己資本額が500万円以上であることの証明
自己資本額が証明する方法として簡単なのは貸借対照表の純資産の部の合計が500万円以上であることです。これは許可申請を行う直前の事業年度の決算書で判断されます。法人を設立してすぐの場合は資本金額で判断されます。
では、直近の決算書で純資産が500万円以下だった場合、つぎの決算まで待たなければならないかというとそうではありません。
500万円以上の資金調達力があることの証明
直近の純資産が500万円以下でも、500万円以上を用意することができることを証明できれば財産的基礎等の要件を満たすことが可能です。
具体的な方法としては金融機関によって名前が違いますが、一つは融資可能証明書です。金融機関がその業者に500万円以上融資できるということを証明してもらうことによって財産的基礎等の要件をクリアします。
しかし、簡単にこの融資可能証明書を発行してもらうことができるのかというとそうではなく、一般的には少しハードルが高いです。というのも、金融機関としては融資ができると証明するのにはリスクのほうが大きくなり、メリットのない証明をすることは難しいのです。
証明書を発行してもらうには金融機関にそれなりの信用や預金が求められたりします。そのうえ発行に当たっては手数料が約1万円ほどかかります。
お勧めの資金調達力の証明方法は残高証明書です
金融機関で500万円以上の記載がある残高証明書を発行してもらいそれを提出します。ただし、残高証明書には有効期間があるため注意が必要です。
特定建設業許可の場合
今紹介したものは一般建設業許可の財産的基礎等の要件です。特定建設業許可の場合は資金についての要件が厳しくなります。
- 欠損の額が資本金の20%を超えない事
- 流動比率が75%以上である事
- 資本金が2,000万円以上あり、かつ自己資本が4,000万円以上である事。
専門用語が多くわかりにくいですが、要は著しく赤字になっていたり、借金をしているということがなく、十分な資本金や自己資本が必要だということです。
資金力の維持について
一般建設業許可の場合は取得後に500万円以上の資金力を維持する必要はありません。5年ごとの更新の際にも不要です。
ですが、特定建設業許可の場合は注意が必要です。財産的基礎等の要件を満たさなくなったからといって即座に許可が取消されることはありませんが、更新の際には資金力を審査されます。
更新の際に要件を満たしていないと特定建設業許可の場合は更新できませんのでご注意ください。