宅地建物取引士の資格を取得した人のなかには、独立して会社を設立したいと考える人もいます。ここでは、開業したい宅地建物取引士が知っておくべき会社設立のポイントや開業のメリットについて説明していきます

 

宅地建物取引士が会社設立する前に知っておきたいポイント

宅地建物取引士の国家資格を持っていれば、就職に役立つのはもちろん、自ら不動産会社を設立することもできます。ここでは、独立を前に知っておきたいポイントについて説明していきます

 

会社設立にかかわる諸費用

宅建士の資格を持っていれば、自ら不動産会社を立ち上げることができます。ここでは、会社設立に伴う費用の目安について説明していきます

 

事務所開設・設備費用

会社として事務所を開設するためには、一般的に以下の費用がかかってきます。

  • 事務所賃貸費用・内装工事費用など:100万円から300万円程度
  • デスクやパソコン、コピー機などの設備:数十万円から100万円程度
  • 電話やインターネット回線工事などの環境整備:数万円から10万円程度

少なく見積もっても100数十万円はかかるため、以下に述べる営業保証金が必要になることを踏まえても、資金には十分な余裕が求められます。

 

営業保証金または弁済業務保証金の供託

不動産業を営むには「供託金」とよばれる金銭を用意する必要があります。供託金は法務局に1,000万円を供託するか宅地建物取引業保証協会に「弁済業務保証金」として60万円を納付するか、いずれかの方法をとります

 

宅地建物取引業保証協会には2種類あり、国内宅建業者の約8割が加入しているとされる全国宅地建物取引業協会(ハトのマーク)か、60年以上の歴史を持つ全日本不動産協会(うさぎのマーク)のいずれかから選択することができます。

 

人件費・事務所維持管理費用など

会社として事務所を持つということは、以下のような費用が継続的にかかることになるので、あらかじめ見積もっておきましょう。

  • 事務所の家賃
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • リース費 など

 

宅建士が開業するメリット

宅地建物取引士が独立開業するメリットには、次に挙げるようなものがあります。

 

高収入の可能性がある

独占業務ができることから普段から安定的なニーズがみられる宅地建物取引士ですが、不動産売買など金額の大きな取引にかかわることも少なくないため、高額な仲介手数料をそのまま手にすることもできます

 

在庫なしで営業できる

取り扱う商品は不動産ですから在庫を抱える必要がありません。したがって、仕入れと販売のバランスなどに気を取られることなく安定した気持ちで仲介業にいそしむことができるでしょう。

 

資格を活かし別業界に就職することもできる

宅地建物取引士は独占業務ができる国家資格であるため、建設業など建物を取り扱う業界からのニーズも顕在します。業者としては、宅地建物取引士を雇うことによって建物の販売部門を強化できるからです。また、担保として不動産を扱う金融機関からのニーズも高いといえるでしょう。

 

まとめ

宅地建物取引士の資格を取ったら、まずは経験を積み人脈を形成する期間として不動産会社に一定程度勤めることが大切です。もし独立開業したいのであれば、その後のタイミングにした方が信用も高くなるでしょう。不動産業界に留まらないニーズがありますので、さまざまなジャンルでどう活躍していくかイメージを描いてキャリアを積むとやりがいも生まれます。

 

当事務所では会社設立関連業務のご依頼を数多く受けていますので、宅地建物取引士の方が独立される場合もぜひ安心してご相談頂きたく思います。他業界との相性などについても助言が可能な場合がありますので、まずは一度お問い合わせいただけることをお待ちしています。