宅地建物取引士は不動産業界では欠かせない国家資格ですが、他業種への就職や転職など「不動産業界以外」にかかわるメリットもあります。ここでは、宅建士の資格を持つメリットについて説明していきます

 

宅建士の資格を持つ5つのメリット

一般的には、不動産業界に入ることを前提として、あるいは不動産業界で働くなかで宅建士の資格取得に挑戦することが多いようです。しかし、宅建士の資格を持っていると、不動産業界に留まらないいくつものメリットがあることがわかります

 

独占業務を行うことができる

前提として、宅地建物取引士は以下の独占業務を行うことができます。

  • 契約締結前の重要事項の説明
  • 重要事項説明書面への署名捺印
  • 契約内容書面への署名捺印

どの業界であっても不動産売買の取引を扱う会社では宅地建物取引士の存在が欠かせません。つまり、宅建士の資格取得者は業種を超えたニーズに応えることも可能なのです。この点は非常に大きなメリットだといっていいでしょう。

 

収入増につながる可能性がある

不動産取引を行ううえで、重要事項説明という過程を省くことはできません。この説明ができるのは宅地建物取引士に限られます。独占業務を行うことができる人材、という理由から、会社によっては資格手当や昇給などのチャンスに恵まれることもあります

 

就職・転職で有利になる

宅地建物取引士の資格保持者を必要としているのは不動産会社だけに限りません。例えば金融機関の場合、住宅ローンの対象不動産や担保不動産の価値を測るなど、宅建士の専門的知識が活かされます。建設会社であれば、自社で建築した住宅の販売を他社に委託することなく自社で取り扱うことができるようになるため、宅建士がいるだけで会社としての可能性が広がることになるでしょう。宅建士の資格を持っていることで自分自身の選択肢が広がる点はとても魅力的です。

 

自宅の購入や賃貸の際に役立つ

宅建士の資格が役に立つのは仕事面だけに限りません。自らマイホームを購入する際にも専門知識を活かすことができます。たとえば建売・中古住宅を問わずその資産価値はどうか、金額に見合った建物か、住宅ローンの支払いは余裕をもって実行できるかといったことがわかるのは、宅建士だからこそといってもいいでしょう。賃貸住宅においても同様で、知識があるからこそどの物件が優良で契約内容はフェアなものかなど、自分で判断できる点は大きなメリットだといえます。

 

宅建士の資格を持つデメリット

宅建士の資格取得はメリットばかりではありません。あえて挙げるとすれば、難関資格であること・宅建士の身分を獲得するまでに各種手数料が発生すること・実務では大きな責任を負うことの3つが代表的なデメリットだといえます。

 

しかし、メリットとデメリット比較してもやはりメリットの方が大きいため、受験者は減ることがありません。難関資格であれば学習すればいいですし、手数料についてはあらかじめ資金を確保して資格取得に臨めばいいのです。実務において責任を負うという点についても、どの職種でも責任を伴った業務を行っているといえますから、宅建士だけが特別ということはないのです。

 

生涯にわたり活用できる資格である

宅建士は一度取得するとその後生涯にわたり有効になります。実務経験を2年以上積んでいるか合格後に登録実務講習を修了すれば宅建士の資格を取得することができますので、就職・転職の場面ではおおいに活きることでしょう。ただし、有効期限が5年であることから、期限切れとなる前に更新手続きを忘れず行うことが重要です。

 

まとめ

宅建士は生涯有効な資格であること、そして幅広い場面で活かせることから人気が高く、毎年非常に多くの人が受験しています。宅建資格取得にかかわる諸費用負担は決して軽くはありませんが、メリットが十分大きいため、資格取得を検討中であれば積極的に受験するといいでしょう。

 

当事務所でも、宅建資格手続きのお手伝いを行っていますが、手続きのサポートに限らず独立開業にかかわる業務のご依頼も承っています。宅建士の資格取得を足掛かりに開業を考えるケースも少なくありませんので、まずは一度当事務所までお気軽にご相談ください。